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伊福部崇からみた関智一

関智一を「天才」の一言で表現してしまうことは簡単だ。

芝居、企画力、トーク、そしてあふれるバイタリティ。

関智一に関する様々なことは、その言葉を出すことにより

容易に表すことができるだろう。

でも、あえて僕は、その言葉は使いたくない。

悔しいからである。

関智一が「天才」であることを認めるのが悔しいのではない。

「天才」で片付けてしまうことが悔しいからだ。

 

天才のカテゴリーに入れてしまうと、人は

「あの人は天才だからしょうがない」とか

「天才の考えることは、わかんないね」とか

自分とは、全く違う生き物としてとらえてしまい、

その人への興味がそこでストップされてしまう。

しかし関智一への興味をストップさせてしまうことは、

実にもったいない。それが悔しいのである。

 

関智一への興味は尽きない。

彼は、声優として国民的なアニメから、話題の人気作品など

数々の作品に参加する中、自らの劇団では、作、演出として

ハイクォリティーな芝居を作り出し、

ラジオでは、未だ高聴取率をとりつづける番組の

メインパーソナリティーとして、長沢美樹さんや朴王路美さんと

軽快にトークし、

さらに、ある時はフィギュアの原型師として、その手先の器用さを

遺憾なく発揮している。

それだけでも、関智一の才能たるや恐るべきものだといえるが、

さらに、驚くことは、彼の周りには、

いつでも彼を支える別の才能があるということだ。

 

関智一は、決して孤独になることはない、

どうしても関智一の周りには人が集まってくるのである。

なぜあんなに「他人の話を聞かない」、「約束を忘れる」、

「基本適当」な、人間の周りに多くの人が集まってくるのだろうか?

隔夕、僕も関智一に頼み事をされると、どうしても「NO」とは、言えない。

もしも、これで関智一が、ものすごい男前だったら、

印象も変わっていたかもしれない。

自分とは意見の共有ができない「天才」だと思っていたかもしれない。

でも、彼が軽く小太りで、頭の大きい人間味あふれる男だからやっかいなのだ。

その、人なつっこい性格で、お願いされると、

いくらヘロQの打ち合わせの為にいったファミレスで、

本人が来るまで4時間待たされようとも許してしまうのである。

本当に不思議な魅力の持ち主だ。

 

これから関智一がどんなジャンルのどんなすばらしい仕事をしようと

僕は彼を「天才」だと思わないで付き合っていきたいと思う。

関智一の考えていることを、同じように僕も一緒に考えていたいから。

関智一の馬鹿な部分を、端から見て冷やかしていたいから。

関智一のファミリーでいたいから。

関智一は、もしかすると他人にそんなことを思わせる「天才」なのかもしれない。

 

by.伊福部崇

 

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